読んだもの 過去へメッセージを送るための理屈とその結果が物語のミソで、他のナラティブなところは物語を物語とするためのウワモノでしかないような気がした。 しかし娑婆で起きた問題は「ホットライン」の成果によって無かったことになる一方ナラティブな…
ずいぶん前に本屋でハードカバーのものを見、いつか読みたいなと思っていたもの。文庫になったことに気付いたので読んだ。当然のように凄惨な気分になる本である。システマチックに人間を大量死させるパイオニアはボリシェヴィキだった点とそれを踏襲したナ…
あまり新しい本を読めなかった一ヶ月だった。事ある毎に泥酔していた為だと思う。泥酔している時は馴染みの本ばかりを読んでしまう。泥酔しているというのは正常な状況ではないので、状況との均衡をとるために馴染みの本を手に取ってしまうのだろう。 読んだ…
書いててハーモニーに言及しすぎだと思った。原風景が透けて見えるね。 読んでいる端から目が滑っていってしまった。酒飲みすぎてとうとう頭がおかしくなったのかと思った。要素要素で『ハーモニー』の技術的な元ネタのようなものが出て来、伊藤計劃は勤勉だ…
読んだもの 今年の訳解らん枠。読めば読むほど何がなんなのかわからなくなった。これまでの訳解らん枠はピンチョンが筆頭だったのだけどこの本のためにソローキンがトップに出てしまい、世界は広く、わたしはまだまだ何も知らない。「青い脂」というのは読後…
新左翼版の仁義なき戦いという感じだった。ただし仁義なき戦いでいえば頂上作戦のころで終わっている。結末がどうなったのか気になるところ。両派とも今もなお存続しているので結末は到来していないのかもしれない。 実際に読んだやつとは表紙のデザインが違…
しょっぱい境遇を強いられる人々のしょっぱい生活の数々という感じだった。『東京の下層社会』を先行して読んだせいでそっちの認識に引き摺られてしまった。出てくる土地柄の背景が先行資料で把握できていたのはよかったかもしれない。 これ安吾のエッセーで…
最後まで当初のテンションが続いていたらすごかったのだが、大阪に入ってからダレてしまった感じがする。特に結末はあまり綺麗にオチておらず、疲れてしまったのかしらん。気楽に読んでところどころの狂歌のうまさにビックリするという読み方が丁度よいなと…
今月はあまり本を読めなかった。いっぽうで積読は増えてゆく。居室に平積みしていた本をなんとかしようと本棚を買ってきて突っ込んでいったらもうだいたい埋まってしまって再び平積みされてゆくのが避けられなくなった— 之貞 (@ngsksdt) 2023年3月5日 酒席で…
完全に酔っ払っているが手元の本が数式で語る本のため数式に当たる度に酔いが下がって助かっている— 之貞 (@ngsksdt) 2023年2月10日 などとほざいていた割に*1いちばん面白いと感じたのは構成的社会契約論のくだりだった。 線型代数的(グラフ理論的といった…
ほかの月の記事に比べて文章がミッチリしているのは正月休みがあった為で、労働は文章を書くという基本的な表現技能すらも奪い取ってゆくのである。その証拠に正月休みの間に読んだ前半3冊以外はいつもの調子になっている。 去年末くらいから読んでた。2,000…
読んだもの クスリを酒に読み替えてしまいひとりで勝手にゾッとしてしまった。一人称の症状と行動はクスリも酒も同じな感じだ。売人が出てくるような階級構造は幸い酒にはなく、国家と企業とによるシステムのなかに酒があるからだ。 酒を飲まない時期に読ん…
宿酔の一ヶ月だったので映画がいっぱい観れてよかった。宿酔に陥ったことそれ自体はよくなかった。 読んだもの 飲み屋で飲みまくったあと道端で嘔吐して回復するんだみたいな西村賢太のエピソードを読んで好きになった。ここでいう「異界」は他にもありそう…
読んだもの 数学をやっておくと潰しがきくなあと思った。 燃えた東京と穏やかな河の話。生きている過去の話がなされており好き。 観たもの なんだか観ていてものすごく緊張してしまい、疲れた。春夏秋冬の情景が綺麗すぎたのかもしれない。 特に煙草を吸いた…
謝辞:この文章を書くにあたり、題材、機会、および酒席を提供してくださった、友人 O 氏と T 氏へ感謝します。 都市が火に包まれた時、人々は水辺に集う。随分前に教えてもらった葡萄牙(ポルトガル)の里斯本(リスボン)とやらで起きた大地震のときもそう…
『雑草で酔う』で原点のように挙げられていたので。終章がアルコールで終わっているのがたまらない。 これは『ルポ川崎』がイメージソースにあるなと思って読んでた小説の参考文献に『ルポ川崎』がバッチリ載ってて笑ってしまった— 之貞 (@ngsksdt) 2022年9…
戦争最後の年のハンガリー戦くらいまでの状況におけるベルリンの生活模様が描かれていて、これはもしかして国民突撃隊あたりまでやるのかと緊張してたらベルリンを脱出してて意外だった。したたかに生活したり占領軍の都合で右往左往としたり、敗戦国の住民…
そもそも『人間の条件』あたりからちゃんと読めてなかったことに気付いた。アレント的な語義の労働 / 仕事 / 活動のなかで、政治とは活動の中に含まれるはずだが今(執筆当時)はなんかそうでもなく、じゃあどうすればいいのか、そもそもなんでこうなっちゃ…
ほとんど宿酔でくたばっていた一ヶ月であった為マトモに本を読めていない。 読んだもの 読み進めてた平家物語がとうとう壇ノ浦に到達したのが今日のよい事で、それ以外の全てが今日のだめな事だった— 之貞 (@ngsksdt) May 30, 2022 両陣営ともにそれなりにゴ…
読んだもの 京から福原に遷都されるあたりからだんだん面白くなってきた。それ以前はフーンこんなもんかという感じでパラパラ読み飛ばしていた。宮中の情景に関心を持てず、ゴタゴタが始まると面白く感じるあたり、エンタメしか求めていないということがわか…
面白かった。表現できる対象そのものには言語の間で差は無い(と考えられる)が、表現の「し易さ」には言語によっても時代によっても結構差があるね、というのをとうとうを説明してゆく内容と読んだ。 映画のほうが気になっていたが、そいつを観る為に Netfl…
本を買ったら帯にデカデカと「最悪の1冊」と書かれていてウケた— 之貞 (@ngsksdt) 2022年3月12日 何十回と読んでハナシのスジをだいたい把握している本でもない限り、あとどれくらい枚数が残ってんだろうとページをパラパラめくってしまうクセがあるので、最…
『慈しみの女神たち』を読み直していたせいで大して本を読めなかった。『重力の虹』のあとではこいつの長大さや晦渋さがまったくマトモに感じるので不思議である。 酔って遊びに行った友人宅の本棚を引っ掻きまわした時(わたしは酒癖が非常に悪いのでこうな…
黒褐色の瓶の口が上のほうへ離れてゆくのを眺めていたとき、ぼくは自分がテーブルの上にいる事に気付いた。 ふたつある灰皿のうち、片方はまだ空っぽだ。もう一方には既に何本か吸殻が転がっており、縁にはまだ火をつけたばかりらしいタバコが置かれている。…
もう増えないので書く。 今月は新しい本を1冊しか読んでいない。ずっとウエルベックを読み返していた為だ。『プラットフォーム』、『セロトニン』、『服従』を読んだ。ウエルベックを読むと元気になったりならなかったりするのだが、今回は完全に後者になっ…
読んだもの 死にゆく人の死への態度についての考察。とても面白かった。理解と納得の違いを意識させられた。 読み終えるのに半年くらいかかったんじゃないかと思う。V2 からよくもまあここまで題材を拡げたものだ……。何度か読んではじめて物語が繋がる云々と…
読んだもの 少々私的な理由があって読んだ。すこし前に小旅行に出掛け、戻ってからもアタマは旅先に残ったままでカラダだけが家に戻ってきてしまったという状態になりとても苦しい思いをし、これが「移動祝祭日」なのではないかと思ったというもの(ボカしす…
10年くらい前の自分をブン殴ってでも無理矢理読ませておきたかった程度にはもっと早く読むべき、出会うのが遅すぎたと思った。しかし10年前に読んだとしてこの物語を楽しめただろうか? あまり自信はない。 だいたい上と同じような感想の為省略。 村上龍感が…
調子を崩して書くのが遅くなってしまった。遅くなってしまった割には特に読む量は増えていない。 読んだもの モービィ・ディックはデカくて恐ろしい。それを書かんとする為の怒涛の文字量だったのではと思った。『オン・ザ・ロード』を読んでて思ったが一時…
ドイツの戦後は終わらない。終われない。Sturnbannfuehrer を SS 少佐とせず SS 大隊指導者としているのは法学寄りの歴史を意識しているからかしらと思っていたが、当人の所属が武装 SS じゃなくて一般 SS だったことを示しているのかと今ふと思った(以上付…