``一意な文字列''

雑多な事柄

読んだもの (2022-02)

『慈しみの女神たち』を読み直していたせいで大して本を読めなかった。『重力の虹』のあとではこいつの長大さや晦渋さがまったくマトモに感じるので不思議である。

悪の華 (集英社文庫)
酔って遊びに行った友人宅の本棚を引っ掻きまわした時(わたしは酒癖が非常に悪いのでこうなる場合がある)に堀口大學訳か何かのやつがでてきて、面白そうだなあと思い買ったもの。べつにこれは堀口大學訳ではない。
「酒の魂」がとてもすき。

日の名残り (ハヤカワepi文庫)
飲み友達とカズオ・イシグロの話をしていたときに薦められて。これ以外には『わたしを離さないで』しか読んだことがない。
冗談についての小説という触れ込みで読みはじめ、たしかに冗談についての小説であった。それなりに時間が経ったあとで当時を後悔し泣く人間の情景があまりに美しすぎ、そういった情景が眼前に拡がるだけで好きになってしまう。そういった短絡した回路がわたしのアタマの中にはある。