``一意な文字列''

雑多な事柄

読んだもの (2024-01)

裸はいつから恥ずかしくなったか ──「裸体」の日本近代史 (ちくま文庫)
近代化によってひとつの風俗が失われたが別の方面から回復しつつある、といった感じか。制度はナマモノではあるがナマモノ長じると規範になり、規範には強度がある。しかし硬いものは案外脆いものだ。そういったことが書いてあったかしら。然りと思う。

人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)
気候変動というやつについて何らかの知識を持っておきたくて。といって巷の話題のそれとは異なり、地球の「気候」というのは安定には程遠く、むしろ激変の連続で、今この数世紀は落ち着いているほうだ、というもの。だからと言って今この時代の気候変動というやつは人類史に鑑みては落ち着いているほうだが、時代の当事者として生きる立場としては雨は多いし暑いしで困るわけだ。
エピローグにあった平和な世界ではうだつが上がらない感じの人々が戦争や地震の混沌の中で力を発揮したエピソードがかなり好き。これは本筋とはあまり関係無い。

津波――暴威の歴史と防災の科学
買って2ヶ月くらい積んでいたらタイムリーな状態になってしまった。これは悲しむべき状況ではある。
古今東西津波の事例集といった感じだった。繰り返し特定の地域で起きるものもあり、偶発的に起きるものもあり、予知にコストを割くことで防災の功績ができているものもあり、そうでないものあり、良くも悪くも文明が津波に対し何が出来るかといったことを並べていた。曰く、とにかく速やかに逃げろ。これをやるために教育があり、技術がある。

浮雲 (新潮文庫)
ボロボロになった〆にゾラの『居酒屋』を出してくるのはモチーフが強すぎる。