``一意な文字列''

雑多な事柄

読んだり観たりしたもの (2022-11)

宿酔の一ヶ月だったので映画がいっぱい観れてよかった。宿酔に陥ったことそれ自体はよくなかった。

読んだもの

東京最後の異界 鶯谷 (宝島SUGOI文庫)
飲み屋で飲みまくったあと道端で嘔吐して回復するんだみたいな西村賢太のエピソードを読んで好きになった。ここでいう「異界」は他にもありそうな気はするが、生と死との隣接で言えばそういうものかもしれない。

考証要集 秘伝! NHK時代考証資料 (文春文庫)考証要集2 蔵出し NHK時代考証資料 (文春文庫)
どちらも読み物として楽しめた。パラパラめくってたらアッという間に時間が過ぎた。

パンセ (中公文庫プレミアム)
『暇と退屈の倫理学』による積読。読み終えるまでに3ヶ月くらいかかったと思う。そして例によって内容は素通しになった。

セロトニン (河出文庫 タ 6-5)
文庫化待ってました。フランスでは先月だかに出たらしい新刊も邦訳を楽しみにしています。単行本版は前に読んだ

裸のランチ (河出文庫)
時々笑うしかないような文章にぶつかり、どうしようもなく笑った。primitive な感じだ。

観た

ドライブ・マイ・カー インターナショナル版
とても好き。これはすごい煙草モクモク映画だ。ラストの手話劇の強烈な打撃力のせいで思わず光文社文庫の『ワーニャ伯父さん』を買ってしまった。

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(字幕版)
『HHhH』が原作のほうだと思って観たが、見終わった後で違うやつだと知った。水攻めで追い詰められる結末というのを『HHhH』で読んでちょっと笑ってしまったのだが、これは想像力の欠如による笑いで、実際にこれをやられたらかなり嫌だな。

ナチス第三の男(字幕版)
こっちが『HHhH』原作のほう。明らかにビブラートがかかってるバイオリン演奏のシーンで演者の左手がまったくピクついてなくてガッカリしてしまった(ちょっと齧ったくらいで批評目線になる嫌な奴である)。

【冒頭12分映像】『すずめの戸締まり』※本編ではございません。
本編を映画館で観てきた。質量のあるデイダラボッチと地を這う木製の八咫烏。『もののけ姫』を現代版にしたものだと思う。つまり、物語を貫く志はあったがカオスに飲み込まれて収拾がつかなくなり、よくわからなくなった、ひとまず無理矢理収拾をつけた、そんなかんじ。これを言ってしまうとよくないとは自覚しつつ、宮城に入ってからのシーンは『風立ちぬ』ラスト15分間が非常に好きなのと全く同じ理由で好き。