``一意な文字列''

雑多な事柄

読んだもの (2023-10)

ブラッドランド 上 ――ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実 (ちくま学芸文庫 ス-29-1)
ブラッドランド 下 ――ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実 (ちくま学芸文庫 ス-29-2)
ずいぶん前に本屋でハードカバーのものを見、いつか読みたいなと思っていたもの。文庫になったことに気付いたので読んだ。当然のように凄惨な気分になる本である。システマチックに人間を大量死させるパイオニアボリシェヴィキだった点とそれを踏襲したナチスのやりかたはかなりアドホックだったというのは学びだった。前者は薄ら知っていたが、相当に体系的なやりかたをしていたというのは今回はじめて知った。知って何が嬉しいかと言われると非常に微妙なのだが。

2020年代の想像力 文化時評アーカイブス2021-2023 (ハヤカワ新書)
面白かった。仮面ライダー関連で突然早口オタクみたいな語りになるので笑ってしまい、文章の端々で劇パト2の引用がなされるために再び笑ってしまった。終始笑いながら読んでいた。面白い文章はよい逃避になり、人生を豊かにする。

【電子特別版】スタジオジブリ物語 (集英社新書)
リンク的には電子版なのだが紙の本で読んだ。ジブリ宮崎駿高畑勲だと思っていたのだが、結構色々な人々がジブリ作品の監督をやっていたのだということを初めて知った。その程度のジブリに関しての知識しかなかったのだ。宮崎 / 高畑周辺の内容はそこまで目新しいものは無かったが、紅の豚がユーゴ紛争(を宮崎駿が深刻に捉えた為)の影響で混迷しかけたというのは知らなかった。

東京タワー (新潮文庫)
清潔と軽薄とによる恋の対比。こういう物語は人死にが出るという先入観があるのだが、誰も死ななかったので、そういう世界観もあるよね、という気持ちになった。ラストが『ゴリオ爺さん』のような感じ(状況ではなく台詞がそんな感じがした)の不穏な兆しを感じる終わり方で、なんともいえない味わいがあった。

遅いインターネット (幻冬舎文庫)
文庫化待ってました。ありがとうございます。疫病の章までは面白かった。疫病の章は混沌の厳然にうろたえ、素直な事を述べており、この意味で他の章とは異なり「普通」の章だった。他の章はどうかというとこれは『なめらかな社会とその敵』が思想的な背景にありそうだと感じた(参考文献にこれが有るかは確認していない)。