しょっぱい境遇を強いられる人々のしょっぱい生活の数々という感じだった。『東京の下層社会』を先行して読んだせいでそっちの認識に引き摺られてしまった。出てくる土地柄の背景が先行資料で把握できていたのはよかったかもしれない。
これ安吾のエッセーで読んだな、といった記述がけっこうあり、驚いた。安吾も印度哲学出身なので思想が似るのかしらん。
『服従』由来。よくもまあこんなミッチリとした城壁を築いて引き篭れたもんだと思った。しかし城壁は案外アッサリ陥落してしまった。注釈の数が本文の頁数と同じくらいにあるのは勘弁してほしかった。無かったらそれはそれで訳分からんことになるのだが。