``一意な文字列''

雑多な事柄

読んだり観たりしたもの (2022-06)

ほとんど宿酔でくたばっていた一ヶ月であった為マトモに本を読めていない。

読んだもの

平家物語(下) (角川日本古典文庫 Y 11)

両陣営ともにそれなりにゴタゴタしながら戦争してらっしゃる。そして思い出したかのように雅な断章が差し込まれる。
壇ノ浦のハナシが結構短かったのは意外だった。読み終えて思うが『慈しみの女神たち』の最後の章を読んでいたときと同じアタマの動きをしていた気がする。壇ノ浦以降も物語が続いていることに驚きがあったが、要するに敗戦処理なので、とても沈鬱。

観たもの

ヘルタースケルター
原作を読んだので。
検事さんが結構好きなのだが、これを実写でやるとなんだか痛々しい人物になってしまうのだと悲しくなった。
ベト9が BGM の発狂シーンはキューブリックの仰々しいオマージュという感じで、原作では早々に断念された「攻撃」のシーンが花やしきをバックにキリキリと続いてゆくのも併せ、何故か笑ってしまった。
小さなタイガー・リリィが凝縮される描写は原作以上にグロテスクでとても好き。『暇と退屈の倫理学』を読んでから観てよかったと思う。

リバーズ・エッジ


好き。原作がかなり好きで、ガッカリ映画だったらどうしようとちょっと尻込みしていたのだが、完全な杞憂だった。
原作における登場人物のモノローグをメタ的なインタビューで置き換えるのは斬新だった(先行事例はありそうだが)。登場人物の再現度がすごい。原作の痛みを伴う空気感がそのまま映像になり、痛みを伴う映画になっている。