4月も2日目になっちゃいましたが3月分の内容です。
読んだもの
いつかは読んでみたかったやつを読みはじめたというもの。分厚い。晦渋。いまのところ「ここは魔の山、 みんな治る」という感じではない。
『夕凪の街 桜の国』を読んでから気になっていたもの。
原爆で地獄を生み出しても地獄から立ち直ろうとする人間の努力によって原爆を投下した側の罪悪感は薄くなるという見方は新鮮だと思った。
酒席で友人から強奪したかなにかして手元に渡ったもの(わたしは酒癖が非常に悪いのでたまにこういうことがある)。
映像版もよかったがこちらの物語のほうがはるかに好き。一度失ってしまったものはたとえもう一度手に入ったとしても失なった頃の輝きと同じにはならず、延々と過去についての憐憫を繰り返すことになる。過去の憐憫から脱却しようとする試みは一種の輝きだが、その輝きもいつかは失なわれる。そしてまた憐憫の対象となる。どうすればよいのかはわからない。きっと答えもない。
傷となって心に残り続ける良い物語だった。強奪した友人に返すころにはちゃんと買って手元に置いておこうと思う。
東京時代のエピソード以降がほぼ『ノルウェイの森』だなあと思いつつ読んでいたら解説でバッチリ言及されていたのは面白かった。
観たもの
『ジョーカー』今更観たんですが狂人を期待していたら別に狂人は出てこなくてちょっとガッカリした
— 之貞 (@ngsksdt) March 7, 2020
最後の「理解できないさ」は強くて、これよりも強い意思を持たないと作品に対して意見を延べられないような気持ちになる
— 之貞 (@ngsksdt) March 7, 2020
自分の物語だけを省みるようになった人間を俺は狂人だと捉えておりそういう立場からは俺は狂人だしあなたも狂人ですが一方で他者から自分の物語について説明が与えられてしまうと狂人としての強度は極度に弱くなってしまう
— 之貞 (@ngsksdt) 2020年3月7日
自分で自分の弁明をしてしまう狂人は狂人ではない。司会者を射殺するまでのシーケンスはルサンチマンでしかなく、狂気はない。