``一意な文字列''

雑多な事柄

読んだり観たりしたやつ (2025-08)

読んだもの

クーデターの技術 (中公文庫)

買ったやつと表紙が違う。当人が当事者として臨んだとあるファシスト党やら黒シャツ隊によるクーデターの描写が他に比べて活き活きしているのは仕方のないことか。ナポレオンからカップに至るまでの理論的な積み上げを当人参加のうえで母国で実演するとなると気合が入るものな。『クーデター入門』と近しい時期に読むことになったのは偶然なのだが、だいぶ体系的な洞察が得られたように思う。

数学ガール/リーマン予想 【電子特典付き】

待ってました。終わらないかと思っていました。有り難うございます。大変面白かった。前巻からの時間経過に思いを馳さざるを得なかった。
物語が終わるというのはとても良いもので、成仏の機運が出てくるからだ。冗談ではない。物語の成仏というのは区切りのつくかたちで読者の血肉と化すことだ。そうなれない物語のほうが多い。数学ガールは私に数学の魅力を教えてくれた物語だった。得意でも明るいわけでも詳しいわけでもないが、数学は好きだ。そういう態度になれた。

9/1 追記

まだあったのを思い出した

声の文化と文字の文化〈普及版〉


活字が前提にある文章とそうでない文章とで何らか差があるよな(後者が活字になった場合に前者と比べて読み辛いな)と思っていたが、文化のレベルでこうまで別物と言われると、不思議な納得感があった。耳で覚える流れと目から反復して捉える構造といったものがあって、どうしてもスズキ・メソードによる音楽教育みたいなものがちらついて離れない。基準を音とするか記号とするか(音も記号ではとどこからか声がするけど無視する)で違った視点が得られる。面白い視点を得た。いま『雨月物語』を読んでいるのだが(来月ここに書けるといいな)これは声の文化に属する物語だと思う。

観たもの

教皇選挙(字幕/吹替)

もうこのレイフ・ファインズにはアーモン・ゲートを演じることは出来ないのだろうと悲しくなった。物語はまあなんというか時代精神っぽい感じがした。外部との通信が一切遮断されるような描写がある施設の中で枢機卿以外の面々はふつうに通信が出来て内通がまかり通るの片手落ちではないかと思うのだが、情報統制って難しそうだもんね。

インターステラー(字幕版)

機械の側面からの映像に異様にこだわるのがこの監督の性癖(本来の意味のほう)なのだな。先に観た『ダンケルク』でも有ったがあれはガンカメラのオマージュなのかと思っていた。ガンカメラを想起させるなら胴体ではなく翼からの視点にするか。コンピュータが良き相棒になれてよかったね。
ウルフ・オブ・ウォールストリート』が大好きで、この中でも主人公の最初の上司(昼飯にマティーニを啜ってコカインをやりまくるひと)が大変好きなのだが、観終わってからこの映画の主人公と同じ役者だったことに気付いた。役者ってすげえや。