``一意な文字列''

雑多な事柄

読んだもの (2025-11)

科学革命の構造 新版
読み終えるのに半年かかった。パラダイムという便利概念の導入がこの本の功績なのだな。理論や技法の洗練には劇的ないし一朝一夕での変化みたいなものはあまりなく、浸透するように受け入れられてゆく。浸透に至るための「浸透圧」のようなものは新しい理論や技法の「うまくいく」度合いで測られ、観測精度の向上や事実との一致度合いなどがある。科学史を一本の時系列として見ようとしては実質を見落す、といったものか。大分面白かった。

千年の愉楽 (河出文庫)
カンナカムイがどうとかという最期のハナシになってようやく面白く感じた。終わりが見えてきたから面白く思えてきただけかもしれない。読みにくいなあとずっと思っていたのだが、吉本隆明の解説を読んでこれは口伝の物語、つまり声の文化に類する描かれ方ということで、どうりで読み辛いわけだ。江藤淳の解説のほうは引用が激しすぎて先様の文章が本体なのか引用文が本体なのかわからなくなった。江藤淳を読んだことが無いのだがこういうものなのだろうか。古典を古文のまま引用しているので読み手の能力不足で読み取り辛い面はある。

AI法廷の弁護士 (ハヤカワ文庫JA)
アナキズムの話だった気がしなくもない。実写ドラマになったら面白そうだなと思った。法廷をクラックして酒盛りをするシーンは安酒で酒盛りをするのが大変よかった。