``一意な文字列''

雑多な事柄

読んだり観たりしたもの (2019-12)

読んだもの

吉里吉里人(下) (新潮文庫)
みんな死ぬエンドでちょっと寂しかった。『愛と幻想のファシズム』で前に進めることができた村上龍はすごいんだなあと思った。方向性が違うとはいえども。

女の一生〈1部〉キクの場合 (新潮文庫)
弱者とそれをみつめる超越者(という書き方が適切とは思えない。でも神ではないよね)とを書かせたらこの人はすごい。

女の一生〈2部〉サチ子の場合 (新潮文庫)
登場人物が全員十字架を背負ったり背負わされたりしている。隅田川を日本のペニスとうそぶく文科の学生が少尉殿になった後に命を賭して詩人になったのは『きけわだつみの声』のような感じがしてすごく好き。

ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA)
文庫化まってました。ありがとうございます。クメール・ルージュの行動よりもロベーブレソンの住人のほうがエキセントリックすぎてなにもわからなくなってしまった。そういう住人でも人間なので各人の理屈で動くし銃で撃たれれば死ぬ。

ゲームの王国 下 (ハヤカワ文庫JA)
ちょっと綺麗すぎるオチかもしれない。だが綺麗なオチであることこそが彼らのゲームのアガりなのかもしれない。

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)
高校生のころ河合塾の現代文の参考書で読んで以来のもの。ようやく消化できた。学生の世間話に内ゲバがでてくるのすごい。

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
親友の死で現実から距離を置き、恋人の死で現実に向き合おうと一歩を踏み出す、その瞬間まで。葬式にかかる一連の流れがとても好き。

観たもの

君の名は。
これ解説してもらいながら観たのに酩酊してたせいでよく覚えていない。穀物を発酵させるとアルコールになるという基本的なことを思い出させてくれた。

ディア・ハンター (字幕版)
メチャクチャになるサイゴンを観たかったのだが、都市がメチャクチャになるのを観たいのならもっと別の映画をあたるべきだなと思った。賭場を仕切っているダークスーツのひとがかっこいい。