``一意な文字列''

雑多な事柄

読んだり観たりしたもの (2020-07)

読んだもの

潮騒 (新潮文庫)

青年団の顔役に主人公の恋人はメチャクチャにされて主人公は仇をとって自殺するんだろうなと思ってたら全く予期しない素敵な終わり方をしてしまい自分の汚さを堪能する破目になった。 ちなみにしばらくの間「ちょうそう」と読んでいたという恥を告白しておく。

プラットフォーム (河出文庫)

飲み友達に勧められて読んだ。大好きになってしまった。 救済がグチャグチャにされて空虚に支配された人間が破滅を選ぶという流れは『虐殺器官』っぽいなと思った。破滅と大袈裟に書いたがこの物語の場合は自分自身の破滅で『虐殺器官』の場合は世界の破滅なのでディテールは違うのだが。

素粒子 (ちくま文庫)

伊藤計劃だったら逆セカイ系とでも言いそう。ブリュノの物語がしょっぱいだけでオチに絡んでこないの悲惨すぎる。

闘争領域の拡大 (河出文庫)

途中まで淡々とした描写が続いてアレッらしくないな(上2作を読んだ時点での印象)と思っていたのだが「闘争領域」の拡大についての考察が始まって以後は切れ味の悪い刃物で何度もぶっ叩かれ続けながら心象が狂っていく感じになっていってすごかった。

ある島の可能性 (河出文庫)

おもしろい物語は平穏な人間を狂わせる。おもしろい物語は時代を超越する。しょっぱさが面白い物語のよい土壌になる。

観たもの

座頭市 [Blu-ray]

病身の妻を連れた浪人に狂人の匂いを感じたので観たのだが別に狂ってはおらずいたわりと暴力とがきちんと分かれて同居していただけだった。