まだ1日あるが変化しないとみられるのでもう書く。
読んだもの
最後のふたつの章で今までの登場人物が全部始末されてゆくのが圧巻だった。ここまでやってオチをどうするんだろうと怖くなったが、やっぱり死だったか。
『アレクサンドリアを焼く』と『夜の似合う場所』が好き。後者は後味の悪さというか選択の気持ち悪さが格別だった。以下のような感想をもったのだが、ほんとうにそういう物語がナウシカなのかはわからない(最終巻のシュワのあたりの話をねじまげた印象になっている気はする)。
破滅した世界で復興を選ばず破滅したままであろうとする物語ってないかなと思ったがこれよく考えたらナウシカだな
— 之貞 (@ngsksdt) 2020年11月19日
実際のところナチの収容所ないし中東戦争あたりを題材にとった物語を期待していたのだが、前者については想像力が勝てるものではなく、フランクルを読んだほうがよい。後者はわからない。
延々と始末を続けないといけない砂のなかにはわたしもいる。絡みついて離さないほうの砂はまだお世話になっていない。後者の割合が大きくなる中盤くらいで描写がいきなり緻密になるのはだいぶ面白かった。
若者が自分の死の接近につれて言語感覚や感性が鋭くなってゆく様がここにもあった。『きけわだつみのこえ』と同じなので私的に「わだつみ効果」とでも呼びたいものがある。
理想と現実のギャップを埋めるのは難しく、また完全に埋めるのはほとんど困難である。他人や周囲や理想と自身の現状とのギャップやズレとの格闘を続け、彼女は勝てなかった。勝てるものでもない。負けぬように格闘を続けることを強いられるものなのだ。これは安吾の受け売り。
太宰評と飲酒に対しての態度がとても好き。