やがて来る混乱のための予習。
当然だが空から爆弾や砲弾が降ってきても生きているなら飯を食って排泄しないといけない。
労働者は出勤して労働し、公務員は出動してナチス社会に尽す。たまにクーデターもする。それが日常だから。
処刑されたり射殺されたり餓死したり爆死したりしてもそれが日常になる。
日常とは柔軟なものだ。
文庫版がやっと出てくれたのを知ったので。和歌の語彙についての頻度分析が面白かった。
あとはよくある煙に巻かれるやつ。
解説も作品の世界観を流用して独特の雰囲気を出していて愉快だったが、解説なのかと言われると微妙な感がある。
煙に巻かれるとかそういうの以前の問題で、おはなしがよくわからなかった……。
物語が人間から独立してしまったので、人間(すくなくともわたし)からの理解を飛び越えたところにいってしまったのだろうか。
死そのものを丁寧に(綺麗に、ではない)、説明的に描こうとした結果。『死して咲く花、実のある夢』の発展版だと思う。