映画『風立ちぬ』について
ずっと言語化したいと思っていたけど勇気が出ずいままでできていなかった。
ウイスキーを飲み飲みしていたら気が大きくなってきたので今がチャンスと思い言語化する。
劇場公開日から1週間後に映画館で観たけどその時は特になにも感じなかった。
その後金曜ロードショーで観てからブワーーッとなり、それ以来大好きな映画になった。
風立ちぬは二郎の夢がなにもかもを滅亡に導いて後にはなにも残らなかったという破滅を描いた物語だ。
物語を批評できるほど多くの物語を摂取してきたわけではないが、いままで摂取してきた中でもダントツに「破滅」を描ききった物語だと考えている。
二郎は美しいものと善いものが好きだった。
美しいものは飛行機に帰着し、善いものは(結局のところ)奈緒子に帰着している*1。
そのどちらも最後には消滅し、残されたのは破滅だった。
とてもよい破滅の物語だ。
2016-08-20 追記:主人公の名前を誤記していたので直した。恥ずかしい……。
*1:正直にいってここは自信がない。結論ありきの主張になっている感が自分でもしている
読んだやつ (2016-07)
なんど読んでも『グッド・バイ』は M. C. の香りがする。未完なのが残念。
ストーリーテリングに長けてても論評は下手な場合もあるんだなあと思った。論評というより愚痴だ。
アントニー・ビーヴァーの『ベルリン陥落1945』を読んだ結果どんなにつらくても自殺したり殺害されたりすればすべて終わることがわかって有意義だった
— 之貞 (@ngsksdt) 2016年7月27日
読んだり観たりしたもの (2016-03)
觀たやつ
「交渉人 真下正義」を観て以来一度観たいと思っていたもの。
技術者同士の戦いを描いていた。主人公の刹那的な感覚が好き。
マシンの基板にまとわりついていた粘菌みたいなやつ結局なんだったのだろう。
蟻がワラワラしているのもよくわからん。
最悪で良質な映画。観てて辛かった。
なにも知らなかった若者達が現実を学んでいき、いろいろな事を知ってしまい、「成長」していく物語。
学びの機会がこのばあい戦争であったわけで、現実が厳しすぎた結果若者達は
- 射殺
- 戦死(自殺だと思う)
- 強姦
- 迫害
- 懲罰
されたりする。
生き残った若者達が廃墟のバーでホコリまみれのグラスにウイスキーを注ぎ乾杯する光景はまさしく破滅以外の何者でもなかった。