読んだやつ
上巻は日常を非日常が塗り潰していく物語で、下巻は非日常が非日常をけずりとって日常が出てきたみたいな物語に感じた。
相変わらず汚物を汚物のまま描写する描写がものすごく、読んでいてクラクラした。
觀たやつ
プロはやっぱりかっこいい。
この映画のおかげでモザンビークドリルという技法を知った。使い道はない。
ひたすら重い。重いものがドスンドスン来る。
異常な状況によって失ってしまった日常を完全に取り戻す方法はなく、取り戻したと思っても何かが欠落していたりゆがんでいたりする。
岡本喜八版『日本のいちばん長い日』が異常な熱量をもつ反面、こちらはかなり冷静に物語を描いている。
しかしやはり敗戦間際のゴチャゴチャはもっと異常な熱量で狂騒的であるようなイメージがあり(これはわたしの私感。実態は知る由もない)、観ていて寂しかった。
またいろいろエピソードを盛り込みすぎた感が否めず、えっあっこれで終わるの、という感じで消化不良という印象がある。
なおどうしても岡本喜八版と比較してしまうが、佐々木大尉の描写は岡本喜八版に匹敵すると思う。
一瞬だけ出てくるだけだが完全に全てが意味不明な狂人で、岡本喜八版の熱量を帯びた狂人に匹敵する良さがあった。
冷静に狂気を描くことに長けたひとが制作に関わっていたのだろうと思う。
宮城事件がベルリン市街戦ばりのドンパチになってておもしろかった。
欲望に真摯になりすぎた結果全部オジャンになっちゃった。そんな映画。豪奢。
ボニーとクライドが蜂の巣にされる最後のシーンをみたくて観ただけ。
前線でつかってた銃ってそのまま復員時にもってかえれるものなのかしら。お話は普通。
映画館でも観たけどやっぱりこの映画は映画館向きだ。というかたぶんデカイものがドンパチする映画はみんな映画館でしか感動は得られないと思う。
『シン・ゴジラ』つながりでこちらも観た。ゴジラが太平洋戦争(による災禍)の再来という感じで良かった。
でもボンヤリ観てたせいで銀座が火の海になるシーンを見はぐって悲しい。