読んだやつ
表紙にデカデカと買いてある英語の副題のほうが物語を端的に表している。
追い詰められた弱者の闘争方法について。
単純に掌編を楽しむもよし、掌編を連絡させて本編を楽しもむもよし、ひとつで二度美味しい。
これも米澤穂信っぽくウッとなるが、マイルドにウッとさせてくれる。
古今東西の短編をあつめたやつ。べつに米澤穂信の解釈が入っているとかそういうわけではない。
『日本のいちばん長い日』で学生のポケットにねじ込まれていたのを見て。
生きるのはつらく人生にはうんざりする。つらい人生を受け入れるか解釈するか逃避するか。
読んでて非常にしんどかった。華美に装飾された箱の中にまた華美に装飾された箱があり、どんどん開けていって最後に残った華美に装飾された箱を開けたら無だったみたいな感じ。
でも箱の華美な装飾を楽しむというむきがあるらしく、なるほどなあと思った。
『ドグラ・マグラ』、『虚無への供物』とこれといわゆる日本三大奇書は読んだが、いちばん奇書だったのはドグラ・マグラかなあ。