``一意な文字列''

雑多な事柄

魔法の箱ないし板

 コンピュータが好きだ。何故だと理由を聞かれると困るけれど、とにかくコンピュータが好きだ。
しかし、コンピュータに齧り付いていると、生きるのを急かされている気分になる。コードをバリバリ書くような人間でもないし、絵も書かなければ音楽も作らないし、他人にひけらかす事のできる成果物をなんら持ち得ないけれども、とにかくコンピュータに触っていると何か生産的なことをしなければならないという気分になってくる。その結果無力感や不安に苛まれてストレスがたまって疲労してくる。それでも何か生産的なことをしようと齧りついて画面を凝視していると、今度は目が痛い、首を回すとメチャクチャ音がなる、肩が回らないとかいう物理的な疲労が生成される。
 使用している道具が便利で優秀で生産的だからといって、それを使う人間が便利で優秀で生産的であるとは限らない。何でも出来そうなコンピュータに触れていると、自分もまた何でも出来そうな存在であると思えてくるが、実のところは自分自身は便利でも優秀でも生産的でもないのだ。これをどうも私は忘れがちだ。
 道具と自分とを同一視しないようにしたい。