あと一日とそこらでは増えないのでもう書く。
読んだもの
アメリカはデカいみたいな小説読んでたらバーボン飲みたすぎて気が狂ってきて今はブラームスを聴いている
— 之貞 (@ngsksdt) 2021年5月5日
北米大陸の広大さとイカれ具合に運と縁と狂気で立ち向かう人々の物語という感じで、ものすごい疾走感があった。しかしこの疾走感を最後まで維持できたのはディーンだけだった。「大人」(あとがきを考慮すると「つまらない知識人」というべきか)になってしまうことの寂しさ、切なさがここにもある。
なんだかものすごく懐かしい気持ちになった。と思ったら解説で見知った地名がでてきて笑ってしまった。かくあった時期を懐かしく感じたり気軽に笑える境遇に落ち着けてよかったと思う。
読むアルコール。文体も世界観もキャラクターも全部イカれてて、神話的な世界とはかくもこう不条理なのか、どうして解説でカフカ(読んだことないけど)と比較されるわけだ、と感動を覚えつつもラリッた感じもなりそうでこわかった。
『ある島の可能性』でパスカルがキリスト教にぞっこんだったのはキリスト教がブッ飛べる (high-dope) からだみたいな一節があり、聖書方面なのか教義のほうなのか知らんが、神話的な世界でブッ飛べるというのは確かにそうかもしれないなと思った。
『JR 上野駅公園口』はシリーズものだったのかと驚きつつ。字下げがやたらとあるとわたしは非常に困惑してしまうのだなとわかった。
憎悪に満ちた著者の世界観を今回は孤独と希死念慮のかたちで絞り出してみました、といった感じ。ただしこちらは愛していた祖母の導きで自死を断念し、残酷な社会の中で絶望しながらも死なずにいようとしたところで救いの手が差し延べられる、といった救済があり、思想性を少し曲げてでも生に可能性を示したかったのだなと思った。
ゆ虐 SS を読んでいるかのような気色悪さ、気味悪さ、人間への憎悪、パラノイア、ヒステリー、他者を操作できるという傲慢さ、云々、やたらめったらに傷をつけまくる。
『上野駅』、『品川駅』、そしてこの『高田馬場駅』を通しての感想だが村上龍にでてくるような世俗的な感じをじっくり煮詰めて憎悪と混ぜてよく練り、閉塞感で包みました、という物語だ。思想性が強力すぎ、釣り針が頬に突き刺さったままリールを巻かれてゆく感じの痛みがある。クセになる。すごい作品群だと思う。
『オンライン福男』と『愛の夢』が好き。
観たもの
モンティ・パイソンだった。いやそれはそうなのだが。でもやっぱりモンティ・パイソンだった。
ゴア描写がすごかった。群集の真っ只中で砲弾が炸裂すると何が起きるかがよくわかる。登場人物がだいたい『血と骨』の金俊平みたいな感じで観てて疲れた。
ちょっと前に『監督不行届』を読み、長年の宿題としてこいつがあったのを思い出したので。
タイトルの入り方が『激動の昭和史 沖縄決戦』のそれとほぼ同じやりかたで笑ってしまった。物語はまあ普通だが『天国と地獄』でもまあ普通みたいなことを書いてしまった記憶があるので、こういう類の物語をうまく処理できない何か妙な習性がわたしにはあるのかもしれない。
ラリッて狂って起訴されてヤク抜いてカタギになるが逆戻り、しかし脱出の道が開け、"So it does"。教育的な映画だと思った。
こっちのほうが好き。過去のしがらみから抜け出せなかった彼らがそれぞれのやりかたで過去にケリをつけてすこしだけ前に進む、といった感じか。ちょっと綺麗に書きすぎたかもしれない。
健康さや身体の頑健さが保証されているという前提が崩れ去り「自分の」身体が変化するものなのだと驚愕するみたいな描写が刺さってしまう呪いをハーモニーから受けてしまっている
— 之貞 (@ngsksdt) 2021年5月9日
零下堂キアンさんみたいな台詞がでてきて大興奮してしまいそれ以降がわりとどうでもよくなってしまった。反省している。地上で生きる彼女の身体はこれからも変化してゆくのだろうか。恒常性を放棄した苦しみを楽しんでいってほしい。