``一意な文字列''

雑多な事柄

読んだり観たりしたもの (2019-03)

読んだもの

ソドム百二十日 (河出文庫)

えっ、そこで終わるの、となった。まさか舞台の説明と前座で終わってしまうとは思わなかった。 ほかの作品はまあそんなもんですよねという感じ。現代の目からみてまあそんなもんですよねだが当時はどうだったのだろう。

きけ わだつみのこえ―日本戦没学生の手記 (岩波文庫)

学徒出陣と死は学生を詩人にした。死を覚悟するものも死を納得しようとするものも自由主義者アナキストもみんな詩人になった。

ノーライフキング (河出文庫)

じぶんの世界が他人に受け入れられないのはつらい。いわんや他人の世界をや。

酔っぱらいの歴史

好き。アルコールだけが人類と最後まで添い遂げてくれるものなのだった。

医者には絶対書けない幸せな死に方 (講談社+α新書)

誰にとって幸せな死に方を扱っていたのかよくわからなくなった。看取る側にって幸せな死に方かな。幸せな死なせ方を扱っていたのかもしれない。完全自殺マニュアル的な読み方は不適だったのだろう。

全体主義の起原 1――反ユダヤ主義 【新版】

ナチス関連の内容を期待していたがフランス史みたいになってた。19世紀のフランスでヒトラースターリンの予行演習がおこなわれていたという内容なのでまあしょうがない。

観たもの

JSA(字幕版)

チョコパイを吐き出す気概。

読んだり観たりしたもの (2019-02)

読んだもの

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

文学というよりはルポタージュみたいだなと思った。登場人物が全員「労働者」なのがつまるところなんだか虚しい。

イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

好き。村上龍の描くコミュニケーション。暴力も殺人も会話もみんなコミュニケーション。

歌うクジラ(上) (講談社文庫) 歌うクジラ(下) (講談社文庫)

助詞がメチャクチャになる語法に規則性を見出したかった。たぶんあるのだろうが。 重要っぽかった伏線が一瞬で捨てられてひたすら人間が死んでいったり陵辱されたりしてすごい。

侍 (新潮文庫)

打ちのめされ全てが徒労と虚無に終わりつつあるみすぼらしいひとに寄り添う存在。 いままで読んだ遠藤周作の物語のなかでいちばん優しいものだったと思う。

観たもの

ヘイトフル・エイト(字幕版)

WWII よくしらないひとが『イングロリアスバスターズ』を観たらこういう感じなのかなと思った。 わたしは南北戦争を WWII よりはよくしらない。

思い出が呼び起されたときの話

先日、いろいろな事情により EBS backed な EC2 インスタンスのルートボリュームを他の EC2 インスタンスにアタッチしてマウントし、EC2 インスタンスから chroot して中身をいじくるという作業をやった。 色々な事情によりお釈迦になってしまったものの、そのまま失なわれてしまうとマズいインスタンスであったため、復旧作業を行うための措置だった。

2019年にもなって、しかも AWS 上のサーバでこういう泥臭い作業をやる破目になるとは思ってもみなかった。 作業は面倒臭い内容だったが、終えてみての感想としては結構楽しかった。久しくやっていなかった Arch Linux のインストール作業を思い出した為だ。

ほんの数年前までは中古の ThinkPad を買ったり Arch そのものがいろいろあって吹っ飛んだりという事がままあったので、その度に Arch のインストールを飽きずに何度もやったものだった。 いつ Arch のインストールが必要な状態になっても良いようにインストール用 ISO を焼いた USB メモリを常時携帯していた時期もあった。

今では中古の ThinkPad をつい買ってしまうこともなく、Arch もなかなか堅牢になったようで吹っ飛ばなくなったこともあり、インストールする機会も減ってしまった。 最近 Arch をインストールする機会があったのはX201s ジャンクを動態保存することにした時GPD Pocket に Arch を入れた時くらいだと思う。

インストール用 ISO の出動を願った時でいえば結構最近 GPD Pocket で pacmatic -Syu した時に mkinitcpio -P がコケたのに気付かず OS 再起動を掛けてしまい、sd-encrypt が LVM on LUKS なルートディスクを起動処理の中で復号できずに起動に失敗するという状態に陥ったのを解決するときに使ったときがあった。 これについては arch-chroot して mkinitcpio -P しただけなのでインストール作業とは程遠い。

月日は流れて Arch のインストールばかりやたらと行っていた時期も単なる思い出となってゆく今、ふとした瞬間にこういう思い出が現在の作業と結び付き、作業の内容を越えてとても懐しく思ったのだった。 Arch のインストール自体は面倒臭いし今思うとなんであんな飽きずにインストールばかり繰り返していたのかよくわからないが、それでもそういう時期があったという思い出をたまに振り返ってみるとなかなかよい気持ちになる。

読んだり観たりしたもの (2019-01)

まだ1月終わってないけどもうこれ以上増えないと思うので。

読んだもの

オーデュボンの祈り (新潮文庫)
いきつけの飲み屋で相席になった太宰と三島とがゴッチャになってた人からおすすめされたので読んだ。
サイコパスみたいな警官の行きつく先がなんだか中途半端だったような気がする。

カタロニア讃歌 (岩波文庫)
戦場はどこだって泥と排泄物とシラミと飢えだ。
映像だろうが文章だろうが臭気を感じることはないし、感じることもできない。

トパーズ (角川文庫)
汚物と猥雑さを描き出すことにかけてこの作家の右に出るものはいないしやたらと句読点がなく脈絡のない文章がダラダラ続く物語がおおくて普通句読点がないと目がチカチカするし文脈を追ってられなくなるんだけどこれはまったくそんなことなくてダラダラ続く文書から汚物と猥雑さが滲んできてああ俺も汚物であり猥雑なんだという気持ちになって切なくなるし時々エヴァ旧劇場版の原風景みたいな描写もあってすごいなと思った。

ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉 (幻冬舎文庫)
20世紀末の『女生徒』という感じかなと思ったけど違う気がする。欲望のある若者について。

観たもの

かぐや姫の物語 [Blu-ray]
地上波で観たときはかなり衝撃を受けたのだけど、改めて見返したらそんなでもなかった。なぜだろう……。
文脈にメリハリのある物語に慣れてしまいこういう物語を堪能できる感性が無くなってしまったのだろうか。

読んだもの (2018-12)

ティーガー戦車隊〈上〉―第502重戦車大隊オットー・カリウス回顧録
某豚が虎を泥と油と垢まみれになってのたくらせる漫画に影響されて。何年越しの原作読破だろうか。
某豚漫画からの先入観があるため文書から受ける印象との違いに驚いた。この文章からあの漫画を描き出す宮崎駿は凄い。
ハーゼ大佐が原作では少佐となっているのだがどっちが正しいのだろう。

ティーガー戦車隊―第502重戦車大隊オットー・カリウス回顧録〈下〉
ここからは某豚漫画では描かれていない顛末。現状を全く無視して空想のなかで戦争をしてらっしゃる方々がいっぱいでてきて好き。
ボロボロガタガタなのにいやこれで大丈夫だ見給え君ともかくワインはどうかねみたいなこと行っておいて攻撃されたら逃げてしまう防衛責任者みたいなのが描かれるの本当に良い。こういう滅茶苦茶な光景にニヤニヤしてしまう。

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)
生活の記録。生活の場が戦場であることで生活がいかに変化するか。そして生活の物語が以下に塗り潰されるか。
勝利でも敗北でもない生活と日常の記憶。

戦争と広告 (潮文庫)
風立ちぬ』だった。広告をデザインする人々(作中ではこれをクリエータとひとくくりにしているがなんとなくこの呼称はエンジニアという呼称と同じ匂いがして嫌いなので具体的に書く)に降り注いだ高揚と虚無と爆弾と焼夷弾
優れたデザインを描き出す舞台が商品の宣伝から戦意の高揚に移行せざるを得なかった様とそのあと残された焦土。ジョニーウォーカー
「一機も還ってきませんでした」は「ひとりも還ってきませんでした」となる。

ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言 (岩波現代文庫)
『炎628』とあわせて読むとお得。日常でも戦争でもなんでもない殺戮と破壊。

読んだもの (2018-11)

まだ11月おわってないけどもう増えないので。

日英語表現辞典 (ちくま学芸文庫)


不安や恐怖をおぼえてしまうのは未知だったり想像の及ばない事柄に多く触れざるを得なかった為だと思う。

小説 太宰治 (岩波現代文庫)
太宰関連の文書の評価基準を「不良少年とキリスト」においてしまうとどれも大体ああこんなもんかと感じてしまう。
酒をあおり命をあおった結果太宰は土左衛門になって檀は生きのこった。体力の違いかな。

持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない (幻冬舎文庫)
よかった。しかしこの生き方にはコミュニケーションが必要だ。

青線: 売春の記憶を刻む旅 (集英社文庫)
これもよかった。安らぎを得たような気がする。少し路地に入れば違う風景がみえる。

読んだり観たりしたもの (2018-10)

また月を跨いでから書くことになってしまった。

読んだもの

色彩論 (ちくま学芸文庫)
「わたしの見ている赤色とあなたの見ている赤色は違う」みたいなやつの原典を読んでみたくて。
いろいろ読みとばしてさっぱり頭に残ってない。上の文言みたいなのも出てきたか覚えてない。なんのために読んだのか。

アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)
文体のせいかどこか賑やかにみえる銃後の世界。それでも悲惨であり絶望である。

戦争童話集 (中公文庫)
童話としてよりふつうの短編集とみなしたほうがよさそう。

昭和歌謡大全集 (集英社文庫)
大好き。目的さえあれば調布を燃料気化爆弾で吹き飛ばす力を持てる。

観たもの

Grave of the Fireflies / [Blu-ray] [Import]
日本版のパッケージよりもこちらのほうが安かったので。内容に違いはないだろう。
遠い昔に観た記憶のものとなんか全然違っていて驚いた。記憶はアテにならん。