読んだやつ
『イェルサレムのアイヒマン』的なものを求めていたが、とくにそういうものではなかった。
アイヒマンはみんなの中にいるのではなく、みんなの中にはアイヒマンになってしまう人がいて(しかも多かったりする)しまう。アイヒマンにならないように頑張りましょう。というのが本書後半のほうで、それ以外は忘れた。
坂口安吾がたびたび言及する『ボンボン』を一度読んでみたくて買った。円城塔から数学や物理学やコンピュータを引っこ抜いた感じがする。
こっちは小栗虫太郎から衒学趣味を引っこ抜いた感じかしら。何も考えずに摂取できるのは上のほうだと思う。
漫画だけど非常に感銘を受けたので。いつか足を踏み入れるかもしれない非日常。『失踪日記』も名作。
文庫版は既読でありつらい思いをしたのだが、新装版に書き下ろされたもっとつらそうな短編(表題作の後日談!つらくないわけがない!)があるとのことなので再読。
色彩豊かに彩られた思い出を振り返りながら灰色にくすんだ現実のなかを色彩豊かに彩られた未来を目指して生きる少女の首筋を銃弾が貫いて終わり。これが切ない以外のなんであろうか。史実のユーゴ紛争であったもっと凄惨な状況に陥らなかっただけでもよかったのかもしれない。
観たやつ
心や精神や信頼や記憶はあてにならない、あてになるのは肉体だ。『血と骨』に似ていると言えなくもない。